太陽光発電所投資と太陽光ファンド投資は、どちらも太陽光発電事業に投資することで利益を得ることを目的とした投資方法です。しかし、投資先や投資金額、所有権、運営管理、リターンなどの点で大きな違いがあります。
対象:メガソーラー発電所
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太陽光発電所投資 | 太陽光ファンド投資 |
投資先 | 特定の太陽光発電所 | 太陽光発電所を所有する投資ファンド |
所有権 | 直接所有 | 間接所有 |
投資額 | 大きい(数億円〜数十億円) | 小さい(一千万円程度〜) |
運営管理 | 投資家自身が運営管理することもあるが、専門の運営会社を雇うこともある | 投資ファンドの運営会社が運営管理を行う |
リターン | 発電所からの売電収入と売却益が直接投資家に帰属する | 発電所の収益から運営管理費を差し引いた利益が投資家に分配される |
まず、太陽光発電所投資は、特定の太陽光発電所に直接投資することで、投資家はその発電所からの売電収入や売却益を直接受け取ります。一方、太陽光ファンド投資は、太陽光発電所を所有する投資ファンドに投資することで、投資家はそのファンドの収益を間接的に受け取ります。つまり、太陽光発電所投資は直接的な所有権があり、太陽光ファンド投資は間接的な所有権があります。
収益性の高いメガソーラー発電所を対象とすると、投資額は大きな金額が必要です。太陽光発電所は、建設費や設備費、土地費などがかかるため、数億円以上の投資が必要となります。一方、太陽光ファンド投資は小さい金額でも投資が可能です。太陽光ファンドには、いくつかの投資商品があり、一千万円程度から投資ができます。
運営管理については、太陽光発電所投資は投資家自身が行うこともあれば、専門の運営会社を雇うこともありますが、太陽光ファンド投資は投資ファンドの運営会社が運営管理を行います。太陽光発電所の運営管理には、定期的なメンテナンスや監視が必要であり、投資家自身で行う場合は専門的な知識や技術が必要となります。
リターンについては、太陽光発電所投資は直接投資家に帰属しますが、太陽光ファンド投資は運営管理費を差し引いた利益が投資家に分配されます
新規に発電所を設置する
- 設置可能な場所探し(送電網、条例、文化財等確認、林地開発、農地転用の可否等々)
- 設置場所の土地を確保(保有又は地上権設定、賃貸)、
- 発電設備の決定(規模、結線図、使用部材の選定、EPCの選定)、
- 経済産業省に申請、
- 電力会社との売電契約、
- 住民の了解(住民説明会)
特に最近は住民の理解が得られないと発電所設置は難しくなっており、利水権やハザード等が絡むと数キロ離れた住民の了解が必要になる場合もあります。
本当に沢山の手続きが必要ですが、低圧発電所はFITによる全量買取は不可となり、高圧発電所も売電価格は入札で10円/kw前後ですから以前のような高収益は望めない状況です。
セカンダリー(既稼働)発電所を購入する
- 売却案件の探索(売買サイト等)
- 発電所の設備や土地の精査(使用部材、ハザード等の確認)
- 買取(経産省認定ID、電力買取契約、用地の変更手続き等)
- O&M契約(場合によっては前所有者O&M契約が解約出来ない場合もあり注意が必要です)
売却案件も良い物は売買サイトに出回ることが少ない為、納得の行く案件を見付けるのはなかなか大変です。また発電所の設備や用地の精査も専門家に依頼しないと難しいでしょう。
融資を受け収益性を高める
金融機関から融資を受け収益性を高める方法も有りますが、万が一大地震や津波等の不測の事態が発生し発電所が修復不能になった場合大きな負債が残ることとなります。法人でノンリコースの融資を受けている場合等は別ですが。
※太陽光ファンドに投資(出資)した場合はファンドが融資(レバレッジ)を利用していても投資(出資)額を超える損失は発生しません。
まとめ
セカンダリーの発電所を所有しても太陽光ファンドに投資しても、他のインカム金融商品(預金や債券等)よりもはるかに高い収益性ですが、手間やリスクを考慮すると「太陽光ファンド」に優位性が有るかと感じます。